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zoom RSS 読書感想文「モールス電信士のアメリカ史」

<<   作成日時 : 2017/08/29 22:50   >>

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7月の関ハムでお会いしたOMからいただいた本を読みました。

モールス電信士のアメリカ史
IT時代を拓いた技術者たち
著者:松田裕之
http://www.nikkeihyo.co.jp/books/view/2151

です。

本書はモールス符号が現代のインターネット社会の原点であり、モールス符号を操る電信士は現代のPCとそのプログラムに相当する、当時全米に張り巡らされた有線電信網が現在のインターネット(WWW)の原型であること。

当時使われたモールス符号とそれを解読・送信する役目を果たした電信士がそれぞれ現在のデジタル符号(1/0の組合せ)とそれを解読・送信するPCプログラムに変わっただけである、と説いている。

モールス符号は「通信の原点」とか「デジタル符号の原型」という話はよく言われているが、上記のような視点は目から鱗でした。
今後のモールス通信普及のネタに使わせていただきます。

本編は主に米国における有線電信の盛衰を膨大な文献・資料の調査をもとに活写したもので、特にその主人公たる電信士のライフスタイルを時代を追って詳細に記述している点がすばらしい。 
当時の最先端通信を扱っていた通信士を現代の最新通信網であるインターネット技術者になぞらえて考察したり、職に就く女性が少なかった当時、電信士という職業が初のジェンダーフリーな職業として成立したことなど。

アマチュア無線でモールス符号に出会った私の場合、モールスと言えば無線電信の歴史部分のみを見がちでそれ以前の有線電信時代がどうだったのかほとんど知識を持ち合わせていなかった。 
大半のCW愛好のアマチュア無線家も同じであろうと思う。
本書を読むことで、19世紀後半に有線(銅線)からはじまり、20世紀に無線電信で全盛時代を謳歌したモールス符号とそれを操る電信士は、21世紀の現代、再び有線(光ケーブル)を使い、デジタル符号とそれを
操るコンピューターに姿を変えて通信網を支えているという電気通信史の変遷を理解することができる。

なお、本書の中で一般読者は気が付かない点と思うが、モールス符号に日々関わっている者の目には重大な間違いが3ヵ所ありましたので、以下ご報告致します。(著者に連絡済)

■1■
P.25に
図1-5 オリジナル・モールス符号(上)とコンチネンタル・モールス符号(下)
という説明の表がありますが、
正しくは(上)がコンチネンタル・モールス符号で、
(下)がアメリカン・モールス符号(本書ではオリジナル・モールス符号と
表現されている)です。

■2■
P.37に
図2-2 キャメルバック型電鍵(上)と横振りレヴァー式電鍵(下)
という図版が掲載されていますが、
掲載されている(下)の図は「横振りレヴァー式電鍵」ではなく
「半自動電鍵またはバグキー(bugkey)」と呼ばれるものです。
本文の説明にある「電極を左右交互に断続させることによって短符と
長符を打ち分ける仕組み」の電鍵とは
「複式電鍵 sideswiperまたはdouble speed key」のことと思われます。
したがって、図2-2の(下)には「複式電鍵」の図を掲載すべきです。

■3■
P.172の12行目に出てくる
Qのモールス符号は 「・・・−・」ではなく
コンチネンタルだと「−−・−」、
オリジナル(アメリカン)だと「・・−・」です
 

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コメント(2件)

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 この本のことをどこかで聞いたと思ってました。京大の安岡孝一教授のブログでした。モールスコードの誤りは指摘されてますね。
https://srad.jp/~yasuoka/journal/536835/
RVO
2017/08/29 23:14
ほうほう、符号化通信の権威 安岡先生さすが見てますね。松田先生は通信の歴史の専門なのに対して 安岡先生は 符号化技術の専門ですよね、専門が違うから 気になるところも違うんでしょうね。
Atsu
2017/08/29 23:20

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